Kリーグ八百長事件は2011年に発覚した、韓国のプロサッカーリーグである「Kリーグ」選手が関わった八百長事件である。八百長に関与した選手たちはスポーツTOTOに関する法律である「国民体育振興法」違反および詐欺罪で起訴され、Kリーグからは永久追放も含めた厳しい処分が取られ、そのうち4人のサッカー関係者が自殺する事態となった。
2011年5月6日、仁川ユナイテッドFC所属のゴールキーパー、ユン・ギウォンがソウル市内で自殺しているのが発見される。これについてマスコミは「ユンが八百長に関係したのではないか」と報道した。
5月21日、警察は八百長に関与したとしてKリーグ現役選手2名とブローカー2名を逮捕。後に選手はソン・ギョンモ(光州FC)とパク・サンウク(大田シチズン)であることが判明。さらに元韓国代表のキム・ドンヒョン(尚州尚武フェニックスFC)の関与も明らかになった。
5月27日、大田の4選手を新たに逮捕。同日、キム・ビョンジ(慶南FC)がラジオ番組内で八百長依頼を受けたが断ったと告白。
5月30日、チョン・ジョングァン(元全北現代モータース)が自殺しているのを発見。八百長に関与したことを悔いる内容の遺書も見つかった。
6月2日、キム・ビョンジが逮捕される。
6月17日、韓国プロサッカー連盟は八百長に関与した10選手に対し、永久追放処分を課すことを決定。
6月24日、ヨム・ドンギュン(全北現代)が全南ドラゴンズ所属時の2010年に八百長に関与したと警察に自首。
6月28日、チェ・ソングク(水原三星ブルーウィングス)が八百長に関与したとして警察に出頭。ブローカーとの打ち合わせには顔を出したが、金銭授受は否定したとされる。
6月30日、韓国政府文化体育観光部高官が「7月以降、新たに八百長が発覚した場合にはKリーグの中断も考えられる」と発言。
7月6日、U-22韓国代表のホン・ジョンホ(済州ユナイテッドFC)に対する捜査の結果、ブローカーから現金を受け取ったものの返しているとして立件対象から外したと報じられた。
7月7日、Kリーグ選手46名及びブローカーの合計57名を新たに起訴したと発表。選手のうち15名が尚州尚武の選手で、また26名がユース含む韓国代表経験者であったとされる。
7月11日、尚州尚武のイ・スチョル監督が、キム・ビョンジの両親に対して「息子が八百長をしている」と現金を脅し取ったとする恐喝罪で国防部検察団に逮捕された。
8月11日、日本のJリーグ・ギラヴァンツ北九州所属のキム・スヨンがKリーグ所属時に八百長に関与し韓国の検察当局から起訴されていたことが明らかになり、キムは北九州との合意の上で契約を解除。
10月5日、KFAはチェ・ソングクを含む八百長二次加担者47名に永久追放処分を課すことを決定。
10月18日、イ・スチョル元尚州尚武監督(懲役2年、執行猶予3年で釈放)は京畿道城南市の自宅で死亡してるのを発見された。
2012年2月~3月、事件に関与したブローカーが、違法ブックメーカーのwebサイトを舞台にしてバレーボールVリーグ、プロ野球など他のプロスポーツでも同様の勝負操作を行っていたことが明らかになり、捜査が行われ31名が起訴された。
3月16日、FIFAはすでにKFAから永久追放されているチェ・ソングクに対し、全世界のプロリーグでのプレーを禁止する制裁措置を発表した。
4月14日、事件に関与し永久追放処分を受けた元選手のイ・ギョンファン(2011年水原に所属)が、仁川広域市の自宅マンションから転落死したのが発見された。自殺の疑いが強い。