ラルフ・デイル・アーンハート・シニア (Ralph Dale Earnhardt Sr. 1951年4月29日生)
[アメリカ・レーシングドライバー]
周囲はここまでの顛末をよくある事故としてとらえていたが、2時間後にアーンハートの死亡が報じられた。後の調査でアーンハートのマシンは時速253kmで55~59°の方向角でウォールに衝突したことが判明した(これは18メートルの高さから車を落下させた時の衝撃に相当する)。その衝撃で致命傷となる頭蓋骨底部骨折を起こし即死したとみられる。その死はスポーツ界に衝撃を与え、数多くのファンが彼の死を悼んだ。また、彼の事故死の直後、接触したと思われるスターリング・マーリン宛に一部のファンから脅迫状や悪質な嫌がらせが相次いだ。これに対して、アーンハートのチームメイトのマイケル・ウォルトリップと息子のデイル・アーンハート・ジュニアでは「彼にはまったく責任はない」と発表した。
彼の死の影響は大きく、#3は永久欠番となった。そして、彼の死を契機にさらなる安全向上策をNASCAR、および各チームは打ちだした。まず、事故調査の結果、直接的な原因でないが不適切な取り付けがあったとされるシートベルトについて多くのチームが5点式から6点式へと変更になった。次にHANS(頭部及び頸部の保護装置)の普及が進んだ。そしてオーバルコースの外側に(トラックによっては内側にも)緩衝帯が設置された。さらに2007年からは、カー・オブ・トゥモローと呼ばれる新型車が採用され、より安全性が強化された。
アーンハートは2010年にNASCARの殿堂入りを果たしたが、その他にも国際モータースポーツ(2006年)と米国モータースポーツ(2002年)の殿堂入りを果たしている。
2001年2月18日死去(享年49)