ブライアン・ウェルズ(Brian Douglas Wells 1956年11月15日生)
[アメリカ・ピザ配達人]
ブライアンは「タイマーの音がする!」「爆弾の処理班はまだか、もう時間がないんだ!」「どうして見ているだけで、誰も助けてくれない?」と訴えたが、15時18分「ピザ屋の店長に連絡させてくれ」という言葉を最後に爆弾が爆発し、心臓上部に穴が開いて即死した。時限爆弾の設定はわずか50分で爆弾処理班到着3分前だった。彼のTシャツには「GUESS(何だと思う?)」と挑発的な一語が手書きされていた。
事件の捜査はFBI主導で行われ、最大の手がかりはブライアンの持っていた犯行指示書とも言える9枚の紙。しかし犯人グループがどこでブライアンに接触したのか不明だった。ピザ屋の注文電話がかけられた公衆電話付近を中心に聞き込み、ブライアンの家も調べられたが証拠品は全く見つからなかった。ブライアンの身辺調査も行われたが結果はシロ、捜査は難航した。一時は迷宮入りとも言われたが、4年後の2007年7月、事件の主犯格とされる女が起訴された。内縁の夫を2人も射殺した来歴を持つ彼女は、ブライアンと電気配線工の男ともう一人の男の計4人でこの強盗を計画。「発明おじさん」の異名を持つ配線工の男に首輪爆弾を作らせ、それを配達途中だったブライアンに偽物と騙して装着させ、強盗に行かせたと見られている。
しかし、これは1人の男による供述に過ぎない。というのも、配線工の男は2004年7月に急性白血病で死亡。主犯格の女も無罪を主張、精神鑑定を受けている。配線工が主犯説もあり、真相は藪の中である。
2003年8月28日死去(享年46)