トーマス・モルドウィン・プライス(Thomas Maldwyn Pryce 1949年6月11日生)
[イギリス・レーシングドライバー]
プライスにはねられたマーシャルも時速300km近いスピードで跳ねられた衝撃で体が縦方向に身体が激しく数回転しながら宙を舞い、遠心力で腕や足が伸び上がり、地面に叩き付けられる悲惨極まりない状態で即死している。事故の一部始終はシネカメラで撮影されており、モータースポーツ史上で最も衝撃的な事故映像のひとつになっている。
プライスは即死したが足がそのままアクセルを踏み続けていたと見られ、マシンは270km/hでホームストレートを暴走、インコースのガードレールに接触したまま第1コーナーに突っ込み、コーナーに向け減速していたジャック・ラフィットのリジェに接触した。ラフィットはブレーキをかけてマシンをコントロールし、最悪の事態からは免れた。
ようやく停止したプライス車に救護班が駆け付けたが、コックピットの中は血液と体液が入り交じった悪夢のような惨状であり、プライスは仰向でハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ形のまま硬直していた。はねられたマーシャルも遺体の損傷がひどく、レース後全員を集合させ、欠員を確認して初めて身元が判明したほどだった。
事故の原因は不慣れなマーシャルが不用意にコースを横切ったことだと見る意見が多く、プライスは不運なもらい事故で死亡したことになる。
1977年3月5日死去(享年27)