ハイン・S・ニョール(Haing S. Ngor 1940年3月22日生)
[カンボジア・俳優/医師]
プノンペン出身。ニョールはカンボジアで産婦人科医、また軍医として働いていた。しかし1975年にクメール・ルージュに捕らえられ、4年余りの間、強制労働と拷問に耐える生活を強いられた。処刑を逃れるため、医者であることと教育を受けたことを隠さなければならなかった。またその間に、妻と子供を早産で亡くしている(処刑された可能性もあり)。
1979年にクメール・ルージュの元からタイに脱出、1980年に難民としてアメリカ合衆国に移住する。その後、カンボジア内戦に関する映画を制作中のキャスティング・ディレクターに見出され、1984年に『キリング・フィールド』に出演。カンボジア人の通訳兼ガイドのディス・プランを演じ、それまで演技経験がなかったにもかかわらずアカデミー助演男優賞及びゴールデングローブ賞
助演男優賞を受賞した。
その後も映画に出演したり、人権活動などに携わっていたが、1996年にロサンゼルスの自宅近くで強盗により射殺され、55年11ヶ月あまりの生涯を閉じた。
1996年2月25日死去(享年55)