ジョン・ギルバート・グレアム(John Gilbert
Graham 1932年1月23日生)
[アメリカ・航空機爆破事件犯人]
乗客の身辺を捜査した結果、FBIは母親が搭乗していたデンヴァー在住の23歳のドライブイン経営のジョン・ギルバート・グレアムを逮捕した。母親に大きな紙袋を手渡す所を目撃されていたためである。当初は母親にプレゼントした手芸用品だと主張したが、デンヴァー市内で事故前に販売した事実がないことを突きつけると、一転して自白した。
母親のデイジー・キング夫人は息子ジョンが3歳の時に夫に先立たれ、再婚するまでの10年間、彼を孤児院に預けていた。不動産投資で成功していた母親は、ジョンを甘やかして育て、彼が19歳の時にドライブインを買い与えた。しかし、ジョンにドライブイン経営など出来る筈がなく、経営に行き詰まった彼は保険金目的で店に放火を試みたが失敗したため、今度は母親の殺害を計画した。目的は母親にかけた総額37500ドルの生命保険(空港内の保険自動販売機で購入。1枚25セントの保険証書6枚。彼女の署名がないため効力がなかった。なお同州では事件を契機に販売禁止になった)と彼女の財産であった。
ジョンは2週間電気店でアルバイトして、装置の制作に必要な電気技術を習得し、母親のスーツケースにダイナマイト25本と時限発火装置を仕込んだ。航空機爆破と言う手段を選んだのは、事故を装い犯行の露見を避けるためであったが、結局科学捜査により全容が解明されることとなった。
コロラド州の裁判所は、母親に対する殺人罪のみでジョンに有罪を宣告した。その後、ジョンは自殺を図ったが未遂に終わっている。ジョンは最後まで反省することなく、1957年1月11日、ガス室による死刑が執行された。
1957年1月11日死去(享年24)