ニナ・ハムネット

ニナ・ハムネット(Nina Hamnett 1890年2月14日生)
 [イギリス・画家]



 南ウェールズのテンビー生まれ。陸軍士官の父とともに任地を転々とした。友人がないまま絵画にのめりこむ。自宅で鏡に写る自分の裸体を描いて、家族に絵を禁止されたが、祖母の支援でダブリンの芸術学院からロンドン芸術学院に進む。卒業後にはブルームスベリー・グループの仲間に入り、ロジャー・フライの影響で印象派の画風に傾いていった。1914年にはノルウェーの画家と結婚したが、じきに別れ、その後は奔放な生活を送って「ボヘミアの女王」と呼ばれた。当時の文人たちの肖像画を描き、相手の性格をうまく捉えていたため評価された。

 イギリスの風景画のスケッチも多数残していたが、不幸にも1947年の火事ですべてを失い、その後は貧困のうちにアパートで一人暮らしを続け、1956年にアパートの窓から飛び降りて、12メートル下のフェンスに突き刺さり死亡した。それが単に事故だった可能性もある。彼女の最後の言葉は「なぜ、彼らは私を死なせてくれないのですか?」であった。

 1956年12月16日死去(享年66)